米Amazonが新しい電子マネーサービスを開始しました。提携している特定の店舗で店員に専用のバーコードを表示することで、ユーザー自身のオンラインAmazon(AMZN、Tech30)アカウントにご利用残高をチャージできるようにする新サービス「Amazon Cash」とはどのようなものなのでしょうか。

クレジットカードやデビットカードいらずで残高チャージ


これまで自身のAmazonアカウントに残高をチャージをする為にはクレジットカードやデビットカードが必要でしたし、現金の場合はまずAmazonギフト券を購入してオンライン上で登録する必要がありましたよね。今回登場したサービスAmazon Cashを使えば店先で残高のチャージが出来ます。

Amazon Cashサービスを利用するには、Amazon Cashが提携しているショップのレジにて自分だけに割り当てられた「バーコード」をスキャンしてもらいます。1回の取引でチャージできる金額の範囲は$ 15〜$ 500で、チャージ後、残高はすぐにAmazonアカウントに反映されます。

インターネット決済システムの代表格のPayPalも「PayPal My Cash Card」というAmazon Cashに似たサービスを提供しています。PayPal My Cash Cardに記載されているバーコードを利用して現金でPayPalアカウントの残高をチャージすることができるのだ。PayPal My Cash CardもAmazon CashサービスもGreen Dotのバーコード技術を使っている点でも相似性がみられる。

Amazon Cashのターゲット層は??

Amazon Cashサービスは、デビットカードやクレジットカードを持っていない層の人達を主に取り込むために考えられたものだという。

FDIC(連邦預金保険公社)による2015年の調査によれば、消費者全体の27%がこの「キャッシュカスタマー(もしくはUnderbanked)」と呼ばれる人々だという。詳しく説明すると…

・給与が現金払いの人
・銀行口座やデビットカードを持たない人
・クレジットカード使いに抵抗がある人

これらに該当する人たちだ。口座開設のための個人情報を明かしたくないなどの理由から口座を敢えて持たないという層も一定数いるようです。

それらの人たちがAmazonで買い物をしようと思った場合は、amazonギフト券を購入してインターネットにてAmazonアカウントにチャージするという手順が必要になるのですが、Amazon Cashを現金でアカウントに一発チャ―ジ出来る事で<ギフト券を買う→インターネットでチャージする>という手間が省けるのです。これはキャッシュカスタマー以外のユーザーにとっても便利な機能と言えるのではないでしょうか?

このように、現金は持っているがAmazonでの買い物の仕方が面倒に思って今まで渋っていた人たちに対してAmazon Cashはオンラインショッピングの敷居を下げる目論みがあるのです。

米国世帯 銀行口座利用状況(2013 年)
銀行口座を日常的に利用 67.0%
Underbanked(銀行口座あるがノンバンク利用) 20.0%
Unbanked(口座がない) 7.7%
その他 5.3%

(出所)FDIC, 2014

Amazon Cashの使いかた


では実際にAmazon Cashの使い方の手順を細かくみていきましょう。

まずAmazon CashのサイトにてAmazonにログインしましょう。「Get your barcode」と書かれている部分をクリックして、案内の指示通りに進めていくと、登録したスマートフォンのメールアドレス宛にバーコードが送られてきます。このスマートフォンに送られてきたバーコードを提携先のショップにもって行き、ご希望のチャージ金額を伝えます。レジの人がそのバーコードをスキャンしてくれますので、その後お支払をしたら完了です。

このバーコードは貴方専用のもので変わる事なく再利用できますので、iOSの「Wallet」アプリやAndroid端末のホームスクリーン上にショートカットとして追加しておくことでいつでも呼び出して使用できます。その他にもバーコードをプリントアウトした紙をショップに持って行っても同様に使用出来ますいかなる方法でもAmazon Cashを使用する際の手数料はかかりません。

◆その他のバーコードの確認方法◆

①PC・モバイル端末で「amazon.com/cash」にアクセスする
②Amazonのモバイルアプリで「amazon cash」と検索する
③AmazonのWebページにある「Manage Gift Card」というリンクをクリック

お支払いが完了すると貴方のAmazonの残高チャージが即座に反映され、すぐにAmazonでの買い物が可能になります。チャージ後、登録されたEメールアドレス、電話番号、スマホアプリなどに通知が届きます。

Amazon Cashはどこでチャージできるの?

提携会社はドラッグストアのCVS、オハイオ州をベースにガソリンスタンド併設型(GS)コンビニを展開するスピードウェイ(Speedway)、中西部など11州で約400店を展開するGSコンビニのカム&ゴー(Kum & Go)、東部地区のGSコンビニのシーツ(Sheetz)など7社。

現在はまだ小売パートナーが7社だけだが今後拡大していくとしており、すべての主要都市で10,000以上の場所で利用可能になるという。

Amazon Cashは日本で使えないの?


日本社会は特にクレジットカードで買い物をするという事に抵抗がある傾向にあるので、そういった意味ではUnderbankedと呼ばれる人口は一定数いると考えられています。アメリカでのAmazon Cash事業が結果を出し続けていくのであれば、日本進出もあり得ない話ではないと思います。しかし、今の日本のAmazonでの支払い方法にコンビニ振込みや代引きといった便利なサービスが既に定着しているので、それらのサービスを差し置いてAmazon Cashが日本で定着するのは相当難しいとも考えられます。

今後日本でAmazon Cashが導入される事になるのであれば、何かしらの特別なサービス等で差別化を図ってくるのではないでしょうか?その時にはまた改めて当ブログでお知らせしていこうと思います!